2011年、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故が発生…
その為、丁度この年から撮影を開始していた自身のドキュメント映画のテーマが大きく変わっていったという、福島県二本松市出身のミュージシャン、
“遠藤ミチロウ”
この度映画が完成し、現在各地で順次公開がされています。
遠藤氏自ら監督も務めたこの映画のタイトルは、パンクバンド、“ザ・スターリン”で活動中の1984年に発表されたソロ作の第一弾、“ベトナム伝説”に収められていた衝撃曲と同じく、
“お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました”
この曲、決して安易には語れない内容の歌ではあるのですが、一聴すると、投獄中の男が故郷の母にあてた手紙を朗読してる様なそんな趣。
詞の最後までが敬語で綴られ、随所に母親を慕うフレーズが出てくる事から、一方では作者遠藤氏に対する人物像を、“親思いの孝行息子”とイメージしていた向きもあったという…
遠藤氏「母親？ 実は苦手なんです。嫌いとかじゃなくて苦手…
ケンカもしたくないから逃げていたい。
実家へもほとんど帰らない。」
これは大阪の上映会での遠藤氏の発言なのですが、案の定でした(笑)
客「自分も母親が何かとうっとうしく、敵のように思う事さえあるんですが…」
遠藤氏「敵だったら、倒さなきゃならないよね？ 倒す気あるの？
俺は敵とは思ってないよ、苦手なだけで。」
客「…」
この辺りの“言葉”の操り方はホント遠藤氏の真骨頂だと思います。
映画の中の遠藤氏のインタビューシーンでも、所々で私なんかには思いもつかない様な独特の言い回しが出てきて惚れ惚れしてしまいました。
だからトークだって凄く面白い(^ー^)
先日の神戸の映画館での上映後トークイベントではこんなエピソードも語られました、
「“前略おふくろ様”っていうドラマがありましたよね、ショーケン主演の。それの自分風イメージなんですよ、“お母さん、いい加減～”の歌は。」
おぉー、納得！
「スターリンで表現していたのは、SEXと政治。若松孝二（映画監督）の世界ですね。」
なるほど、そうだったんかぁ～…
〈写真撮影はOKとの事。そのかわり映画館のスタッフさん曰く、SNSでこの映画の事を拡散せよと(笑)〉
今回の映画は、大阪アメ村のライブハウス・キングコブラ（元スターリンのドラマー・KEIGO氏が店のオーナー！）でのワンシーンから幕を開けるのですが、2月の26日、まさにこのキングコブラで、映画の関西初上映会が行われたのでした。
会場に入った直後、ドリンクの注文を受け付けてくれたスタッフの方が、
「最後に凄いお楽しみがありますよ…。スゴいです！(^_-)」
こう耳打ちしてくれました。
『あぁ…これは多分、上映後のミチロウ氏のトークイベントの後に、弾き語りミニライブが予定されてるんだろなぁ…』
なんて勝手に得した気分でいたのですが、
な、な、なんとなんと！
予測通りのド迫力弾き語りライブに引き続き、KEIGO氏らを呼び込んでの、
“スターリンZ”のライブを決行！＼(^o^)／
思えば、1985年の大映スタジオでのザ・スターリン解散ライブを観にいくつもりが諸事情で行けなくなってしまい、ついに一度も生スターリンを観る機会を得られなかっただけに、このサプライズは涙がこみ上げる程の嬉しさでした(T^T)
以下、この日のセットリストです。
“遠藤ミチロウ ソロ”
オデッセイ 2016 SEX
Just Like a Boy
お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました
天国の扉
“STALIN Z”
ワルシャワの幻想
365
STOP JAP
ロマンチスト
仰げば尊し
確かミチロウ氏は御年○5歳だったはず…
全然衰えてないやん！ 確かにスゴいわ…😱
ザ・スターリン活動中の武勇伝と言うか、驚愕エピソードには枚挙に暇がないミチロウ氏なのですが、片や何故か阪神タイガースファンであり、ゴジラ映画のファンでもあり、意外に下戸だったりもする、全くもって愛すべきキャラクターの人物なのです(^_-)
この映画では、“福島”への想いがミチロウ氏なりに表現されています。
歌い手としての、自身の後継者とおぼしき人物も登場させています。
久々に考えさせられる映画に出会った思いでした。
（既に第二弾の映画制作に取り掛かってもいるらしい…）
是非是非、ロックファンやミチロウファンでない方々にも観て頂きたい作品です(^-^)👍
2016年4月14日以降に熊本県で断続的に発生した地震により被災された皆さまには、阪神淡路大震災を経験した身としましてこの場を借りて心よりお見舞いを申し上げますとともに、 被災地の一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げます。
