もぎたて発☆ディストピア行

 〜よくばりな浪漫トラベラーに捧ぐ〜

デスマッチ王の流儀とは、徹底したサービス精神なり

1989年12月。
それまで日本では有り得なかったスタイルのプロレス試合が東京・後楽園ホールにて行われました。

いわゆる“有刺鉄線デスマッチ”。

リングを囲う3本のロープに有刺鉄線を巻きつけて試合を行うという破天荒極まりない形式。

電流爆破だ、蛍光灯をぶつけ合うだ、画鋲をリングに撒くだといった、デスマッチが超過激に進化した今ではおとなしく思えてしまう試合形式ではありますが、これを最初にやった度胸と覚悟には当時大変驚かせられました。

これが老舗の全日本プロレスや新日本プロレスに対抗し、自分たちが生き残る為の苦肉の手段…。

そして結果的にこの試合が、その後にデスマッチが根付くきっかけの記念碑イベントとなったのでした。

その試合は2対2で戦うタッグマッチでしたが、この4選手の中にこの日から現在に至る日本のプロレス界をより過激に面白く開拓してくれたパイオニア戦士が2人いたのです(^_^)b

一人はその後、電流爆破マッチで大ブレイクした大仁田厚氏。

そしてもう一人が、その頃はまだ無名に近かった元々は空手家の“松永光弘”氏。


松永氏の凄いところは、普通のレスラーなら嫌がるはずの、痛みが確実に観客に伝わる“デスマッチ”を好んで行い、しかも数々のアッと驚くアイデアを自ら積極的に提案していたという本物の仕事師であったという事。

かつてあの“スター誕生”やら、現在も続く“笑点”などの日テレ系TV番組の収録会場であり、格闘技イベントのメッカである“後楽園ホール”での試合で場外乱闘になった際、2階席バルコニーから4メートル下の相手選手に向かってダイブ(!)したエピソードは衝撃的でした。

そんな人ですから、その後もワニやピラニアやサソリなんかの入った水槽に放り込まれたら負け的な試合をやったり、リング上でサボテンやガラスや炎に突っ込んでいったり…。

いったいどんなメンタリティーの持ち主なんだ!?(笑)


そんな松永氏も6年前に引退をし、現在は東京郊外でステーキ店のオーナーをされています。

で、旨いんです、これが!

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最初は興味本位で訪ねてみた訳なんですが、あまりに美味だったので先日再度行ってきました。

もう肉が口の中でぽろぽろとほぐれていく感じの柔らかさと、好きな味を選べる何種類ものソース。
そして、サイドメニューのカレーやスープもめちゃくちゃ旨い。

手間ひまをかけた手作り感が凄く伝わってくるんですよね~。

近所に住んでれば間違いなく常連になっているでしょう(^o^)


レスラー時代のアイデアマン振りと徹底した実行力が、このステーキ店に行列が出来る礎となっているのでしょうか。

ご本人もシェフとして大変な修行をされた様ですし、また武道家出身でもある事からか、店内スタッフの指導が凄く行き届いていて誠に気持ちがいい。

一人一人のお客に凄く気を配っているんですよね。
それこそ外で並んでいる客にまで(^-^)

寒い冬の夜、たまらず入店してきた浮浪者っぽい女性にしばし暖を取らせ、水まで与えてた光景にたまたま出くわした時も感心しきりでした。

きっと、厳しくも優しいオーナーさんなのでしょう。


上田馬之助氏がそうであったように、金髪の反則上等悪役レスラーでも、普段は穏やかな人格者なんですよね。


松永氏は引退した今も髪を金色に染めたまま、毎日肉と格闘をしているのです☆彡


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ユーモアにも長けてます(^_-)